11


 失敗した



 逆転の芽は完全に摘まれてしまった



 薄々は分かってた

 こんな手段は通用しないって

 でも私にはこれにすがるしかなかった



 でも無理だった



 心臓が悲鳴を上げる

 思った以上に痛く、冷たい



 もう私の心臓は止まってるのかもしれない



「オレは」

 そんな状態なのに、シンはさらにトドメを刺そうとする。

 ホント、とこまでも空気の読めない子だ



「オレはいつものこなたがいい」



 えっ?



 なんていったの?



「いつもバカなことをしてきて、ぐうたらで、ゲームとアニメにどっぷりと浸かってるこなたがいい」

 私はその言葉に奥歯を噛む。



 やっぱり希望を持っちゃいけなかった



 それのどこが女の子らしい?

 そんな女の子はシンがいいの?



 分かってる、聞けない、聞けるわけがない

 答えは分かりきるくらいに分かってるから



「そんな普通とはかなり違う女の子、こなたがいいんだ」

 私は思わずシンの方を見上げる。

 そんな私の様子にシンは驚き、そしてそれを見た私は確信する。



 シンが狙って出した答えじゃないことに

 シンが無意識にでも私を女の子と見ていてくれていることに



「だから、頼む!

 機嫌を治してくれ!」

 座ったままで頭を下げるシン。





戻る   別の日常を見る   進める