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凍り付いていた心臓が動き始める。
機嫌? 作戦? そんなものはもう範囲外
だって分かったから、ライバルと私は何も変わらないってことが
「うん、もういい、もういいよ、シン」
自分でも信じられないくらいに優しい眼差しをシンに向ける。
シンもどこか気恥ずかしそうに視線を泳がせる。
したことはないけど、今がその時
私の本能がそう告げる。
私はシンに少しずつ近付いてゆく、そしてシンも何も言わない、動かない
そして
がくん!
大きな揺れが私達を襲う。
そして観覧車が止まる。
『ただいま観覧車に一時的なトラブルの為、安全を取って停止しました
なお、事故の心配はございませんので、もう少々その場にてお待ちください』
流れるアナウンス。
「あは、あははははははは!」
笑い転げる私。
「ククッ、ハハハハハハハ!」
つられる様に笑うシン。
「シ〜ン、い、いくら、ふはっ、ふ、フラグメーカーだからって、ははっ! これはベタ過ぎ〜!」
「オ、オレの、ハハハハ、オレのせいじゃないって、ククッ、だろうが!」
こんだけ用意されてしまうと逆にやる気も削がれる。
ついさっきまでの雰囲気もどこへやら、私とシンはただただ体を震わせていた。
「あそこらへんが家かな」
「もっと左だろ」
回転が止まって五分弱、未だに観覧車は動いてない。
でも幸いにして天辺付近で止まってくれたから、見える景色はすこぶる爽快。
さっきみたいな感じにはなってないけど、シンとの雰囲気も今までと一緒、いて楽しい
これは私だけのもの、これは天然のつかさやツンデレのかがみ、完璧超人のみゆきさんも出せやしない、私だけのテリトリー
案外私が思ってる以上に差がないのかもね、みんなと
なら焦るのは私の性分じゃない
「のんびりいこ」
「ああ、そのうち動くだろ」
私はの独り言に頷くシンがおもしろくて
私はまたいつもみたいに笑った
〜 f i n 〜