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「まあ掛けてくれ。飲み物はお茶でいいか?」
「は、はい」
突然の訪問だった。
それが突然だという証拠はそうじろうさんとこなた2人ともが、今家にいないという事で分かってもらえるはずだ。
という事は小早川ゆたかのおもてなしを、当分はオレがしなければいけない。
まあオレの方は問題ない。今は暇をしてて、プラモ雑誌を読んでいたくらいだからな
問題は
「はい、お茶と菓子」
「えっ!? ふぇえぇ!? あ、ありがとうございます!」
小動物の様に驚きながら頭を下げる小早川ゆたか。
うーん、こりゃ完全に警戒されてるな
まあ最初の出会いの印象が悪すぎた。
言い訳になってしまうけど、あの時のオレは元の世界の事や慣れない異世界での暮らしに周りの人にまで、気をくばる事が出来なかった。
今も出来てないという意見もあるが、それは聞こえない事にする。
とはいってもその事を小早川ゆたかに話すわけにもいかず、どうやってオレに対する警戒心を取り払うべきか………。
「今日受験だったんだろ? どうだった?」
「えっ、は、はい、まあまあ………」
「そうか」
「はい………」
「…………」
「…………」
会話終了。
どうしょう
自分が話下手なのは分かってたけど、ここまで下手だったとは。普段のあいつ達との会話では気にしなかったのに………
どうやらオレは自分で思ってるよりもあいつ達に助けてもらってるらしい。
とはいえ今ここにいるのはオレ1人、どうにかしなければならない。
とはいえどうするか?
オレは眉のしわを気付かれないように、目の前の湯のみに手を掛けた。