4
「……何しにきたんだよ?」
びっくりするくらいに低い声、まるで最初に会った時のシンちゃんみたい。
あの時はお姉ちゃんやこなちゃんみたいに信じられる人がいたら、それは収まってた。
でも今は、あの時よりももっと鋭い。
誰も信じていない、目の前のものをすべてなぎ払おうとしてる。
「えへへ………」
「何が可笑しいんだよ?」
いつもみたいにからかった様子じゃなくて、本当に迷惑そうな顔をするシンちゃん。
すこし信じられない。
これがシンちゃんの闇
「早く入れ、いつまでも家の前にいるのは邪魔だ」
それだけ言うと、シンちゃんは家の奥へと消える。
シンちゃんは戦ってるんだ
シンちゃんがわたしを追い払おうとしなかったのは、したらわたしが困るって思ったから。
こんな時でもわたしのことを気遣ってくれる、優しいシンちゃん
だったらわたしは側にいるよ
わたしは心に強く決めて、泉家の玄関に入っていった。