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「本当にそんなんでいいのか?」
尋ねてくるシンちゃんにわたしは頷く。
わたしはお姉ちゃんたちの妹でほんとによかったと思ってるけど、『お姉ちゃん』って呼ばれるのに憧れていたの。
だからこんな機会なんてめったにないから
「分かったよ」
「やったー!」
わたしの熱意が通じたのか、シンちゃんは自分の頭に手をやって答える。
そして、少しだけ恥ずかしそうに周りを見渡して、小さく口を開く。
「――つかさお姉ちゃん―――」
その言葉を聞いた瞬間わたしの視界は光で一杯になって、オーケストラみたいな壮大な音楽が流れ始める。
あまりのまぶしさでなんにも見えないけど、全然不安じゃない、なんなんだろこの感じ、この胸のどきどきは………
「つかさ! つかさ!」
「ふぇっ!?」
気がつくとわたしは驚いた顔のシンちゃんにもたれかかっていたの
お昼まで寝た時の充実感よりも、はるかに心地いい
こんなことってあるんだ!
「シンちゃん、もう一回」
「つかさお姉ちゃん」
「もう一回!」
「お姉ちゃん………」
「ワンモア!」
「何度も言わせるな! 恥ずかしいんだ!」
「はうっ!?」
すっかり調子に乗っちゃったわたしは、シンちゃんに頬をむにゅーって伸ばされる。
ほんとだ、よく見るとシンちゃんの顔真っ赤。
でもシンちゃんに『お姉ちゃん』って言われる、うんいい! すっごくイイ!
「えへへ、シンちゃん今日はそれでよろしくね」
「クソッ、よりにもよってなんてことを………」
がっくりとうなだれるシンちゃん。
こんな時は『お姉ちゃん』のお仕事だよね!
わたしはシンちゃんの腕を持つとそのまま走り出す。
「よーし、シンちゃん、レッツゴー!」
「ちょ、ど、どこにだよ、つかさ! ……お姉ちゃん………」
「はうっ!」
『お姉ちゃん』効果からくる胸のすごい反応で、またまたわたしはシンちゃんのところにもたれかかっちゃったの