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「じゃ、じゃあねー、今日はずっと手を繋ぐ!」
「正気か?」
オレの言葉につかさはショックを受けた顔になる。
「ち、違うぞ! 別に手を繋ぐのには問題ない、ただトイレとかご飯とかあるだろ?」
「あっ、そっか」
つかさが照れた笑いを浮かべたので、オレはそっと胸をなで下ろす。
ひょっとして、つかさの何かが足りない願い事にツッコム度にこんなことになるのか?
なんて試練だよ! ……オレの口の悪さも原因になってる気もするけど………
「えーっと、じゃあねー………」
考えるつかさ。
もはやオレは夏なのに冷や汗しか出ない。
つかさのことだからもしも子供が欲しいって言われたら?
そりゃつかさとは一緒になりたいけど
まだ経済的に
家族の人にも正式に挨拶にもいってだな
いや、それ以前にオレはつかさと一緒になっていいのか? オレみたいな―――
「そうだ!」
「決まったか?」
自分の考えを奥に引っ込め、オレはつかさにからかいの目を向ける。
今はこれ以上余計なことを言ってつかさを泣かせたくない。
「うん! 決めたよ」
つかさにしては珍しく自信満々といった顔つき。
これはツッコミがいがある
「今日一日、わたしを『お姉ちゃん』って呼んでみて、シンちゃん!」
平然とズレたことを微笑んで言ってくる自分の彼女に、
唖然としつつも可愛いと思ってしまう自分は間違いなく『変わってる』