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「さて、つかさ先生。オレにでも作れそうなお菓子ってどれだ?」
あの人はわたしに本を渡して聞いてきたの。
「う〜ん。ここらへんとかいいんじゃないんかな?」
わたしが指し示したページにはカップケーキやシュークリームといった、ポピュラーなお菓子が載っていたの。
そのページを見ながらあの人は腕組みをして
「うーん。どうせなら少しは手の込んだ物を作りたいけどな…まあ、シュークリームにするか」
「りょうか〜い。じゃあね――」
「待った」
「え?」
なぜかあの人が教えようとするわたしを手で制したの。
「試しにオレ1人で作ってみるから、つかさは見といてくれ」
「えっ、うん………」
もし上手く出来ちゃったら、これからあの人は一人で作っちゃうのかな…あの人と一緒に作りたいのに………。
「じゃあ、行くぞ!」
そんなことを考えてる内にあの人がお菓子作りを始めたの………。
「砂糖が大さじ3…こんなんでいいだろ」
「卵は混ぜ方がいのちっー!」
すってーん!!!
「いたた」
「なんで何もないとこであんたがコケるんだよ!?」
「えへへ」
っということもあって、数時間後………
チーン
「おっ、出来たな!」