11
「こ、これを私達に? 宜しいのですか、シンさん?」
「ああ、今日はホワイトデーだろ? バレンタインのお返しだ」
「そういう訳ね………」
「かがみ、何がそういうわけなんだ?」
「なんでもないわよ! べ、別にお返しなんて、よ、よかったのに…でも…ありがと………」
「ありがとうございます!よく味わっていただきますね!」
2人はオレの渡したシュークリームに驚きつつ、喜んでくれた。見事作戦成功ってやつだ!
特にかがみは異常なくらいの喜びようだった。
あいつ、そんなにシュークリームが好きだったのか………。
「ねえシン、わたしのは?」
オレの制服の袖を引っ張りながら、質問してきたのはこなた、そんなこなたに
「ない」
オレは笑顔で言ってやる。
「お前からはバレンタインにチョコもらってないからな」
「ヒドっ! その日夕御飯は腕によりをかけたじゃん!?」
「そんなの、オレに家の掃除当番1週間させたのでチャラだろ」
「……あんた………」
「うっ! あん時はホワイトデーなんて、頭になかったんだよー!
ギャルゲーでもホワイトデーイベントなんてほぼないし…トホホ、失敗だったな〜」
「こ、こなちゃん、ドンマイ」
涙目のこなたの頭を撫でるつかさ――
「おっと、忘れるところだった。つかさ」
「え? なに?」
「ほら」
オレはシュークリームが入った袋をつかさに渡した。