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「えっ、なんで~!?」
「今日はホワイトデーだろ?」
「でも、昨日私にくれるなんて一言も………」
「そりゃな。いきなり渡したほうが驚くだろ?」
そう言って、あの人は無邪気な笑みを浮かべたの。
もう、あの人って本当に子供だもん、困っちゃうよー。
「後これは、お菓子作るの手伝ってくれたお礼みたいなもんだ」
あの人は少し申し訳なさそうに、全体的に白っぽい色のプラモデルをわたしにくれたの。
「昨日夜遅くまで何してたかと思えば、これ作ってたんだ~」
「ああ、ホントはもっと大きなのを渡したかったんだけどな。お金ないし、作ってないガンプラがこれしかなくてさ………」
「この子名前あるの?」
わたしは手にあるプラモデルを眺めながら、あの人に聞いたの。
「グーンっていうんだ。ホワイトデー用に塗ったんだけど、やっぱり気に入らないか………」
そんなことない、形は可愛いし、あの人は知らないと思うけど、白は私の好きな色…それに何より――
「すっごく嬉しいよ! だってシンちゃんが私のために、愛を込めて作ってくれたんだもん!」
~ f i n ~
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