[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。



12


「えっ、なんで~!?」

「今日はホワイトデーだろ?」

「でも、昨日私にくれるなんて一言も………」

「そりゃな。いきなり渡したほうが驚くだろ?」

 そう言って、あの人は無邪気な笑みを浮かべたの。

 もう、あの人って本当に子供だもん、困っちゃうよー。

「後これは、お菓子作るの手伝ってくれたお礼みたいなもんだ」

 あの人は少し申し訳なさそうに、全体的に白っぽい色のプラモデルをわたしにくれたの。



「昨日夜遅くまで何してたかと思えば、これ作ってたんだ~」

「ああ、ホントはもっと大きなのを渡したかったんだけどな。お金ないし、作ってないガンプラがこれしかなくてさ………」

「この子名前あるの?」

 わたしは手にあるプラモデルを眺めながら、あの人に聞いたの。

「グーンっていうんだ。ホワイトデー用に塗ったんだけど、やっぱり気に入らないか………」

 そんなことない、形は可愛いし、あの人は知らないと思うけど、白は私の好きな色…それに何より――

「すっごく嬉しいよ! だってシンちゃんが私のために、愛を込めて作ってくれたんだもん!」





~ f i n ~   






戻る        別の日常を見る