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「1、2、3、5、7、11、13………」
オレはどうにかこうにかで、着いた柊家の居間で精神統一をしていた。
今頃つかさはシャワーで………、綺麗なんだろうなつかさのはだ―――
「って、ダメだ! ダメだ!」
何を考えてる、ここはつかさの家だぞ!
それにいくらオレの誕生日だからって、『誕生日はお・ま・え』なんてベタ過ぎる!
勢いで突っ走って、つかさを傷つけるなんて事は絶対にしてはいけない
「いけないんだ」
と言い聞かせるものの、本能というのは中々にお帰りになってくれない
つかさが大事なんだろ?
傷付けたくないだろ?
嫌われたくないだろ?
ずっとずっと側にいて欲しいだろ?
何度も何度も繰り返し自分に言い聞かせる。
その介あってか、なんとか理性が戻ってくる。
「ごめんね、お待たせ」
しかしもう少しのところで、シャワーを終えたつかさがシャンプーの心地よい香りを纏い、居間に顔を出してくる。
当然だけどつかさはちゃんと服は着ている。
だけどシャワー上がりの自分の彼女を見て、よからぬ妄想をしない男なんていない!
それは断言できるし、賛同してくれる男は多数だろう。
「ヤバイ、ヤバイ」
オレは聞こえない様に小声で呟く
再び本能が理性を凌駕しだした。