「入りますよ〜」

 ごはんの準備ができたわたしは、寝室に戻ってきた。

 そしてシンちゃんを起こさないように、ゆっくりゆっくりとベッドへと向かう。

 今、起きられたら困るから



 実はわたし、シンちゃんに秘密のことがあるんだよ

 それはたとえ大好きなシンちゃんにも言えないこと



 それはね―――



「くわぁいいねー」

 思わず声に出してしまうシンちゃんの寝顔。

 密かなわたしの楽しみ、普段見られないシンちゃんの顔。

 普段かっこいいシンちゃんが子供みたいに可愛くなる。

 もうほんとに反則だよね〜かっこよくてかわいいなんて♪

 ずっと見ていたいけど、シンちゃんにバレたら怒られちゃう。

 シンちゃんの前では可愛いは厳禁、だから気付く前に起こさないと



 そしてわたしはシンちゃんの頬に軽いキスをする。



 これもシンちゃんには秘密

 だってこれはおまじないだから

 これをしたらシンちゃんが無事に一日を過ごせるっていう、おまじない

 それと

「う〜ん、出来たか?」



「うん、おはようシンちゃん」



 起きる魔法だから





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