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「シン、やっぱり知らなかったみたいだよ」
「でしょ?」
いつものファミレスでこなちゃんの報告を受けた、お姉ちゃんは胸を張る。
「この前連休の話をした時、シンまるで知らなそうな感じだったし」
「確かに、海外で長く住まわれてたシンさんにはG.W.は縁のないものですからね」
「んん、まあ、そうね………」
そこでなぜか言葉を濁し、ジュースを飲み干すお姉ちゃん。
照れてるわけじゃないし、どうしたんだろ?
「ともかく! これでシンがG.W.が暇なことはサーチできた!」
こなちゃんがいきなり大声を出したから、わたしはお姉ちゃんに聞くタイミングを無くしちゃったの
でもお姉ちゃんの様子からみて、困ってるってわけじゃないからいいかな
それにお姉ちゃんが困ることはもうないはずだから、だってお姉ちゃんはミス陵桜になったんだから♪
「そうですね、そして今年のG.W.は例年よりも一日多い四日………」
「わたしたちも四人………」
最後の言葉をわたしが言うと、わたしたちの目から火花が飛び出す。
でもこうやって正直に態度に出せるのは四日あるから
これなら誰かがあの人と遊べなくなるなんてことはないから
だから心の中でホッと溜息。
「というわけで、誰がどの日にシンと―――」
「あ〜ごめん、私実はシンともう約束しちゃった………」
ばつが悪そうに言うお姉ちゃん。
なるほどねー、だからコンテストの後、すっごく機嫌がよかったんだ
「はい〜? かがみんそれ抜け駆けだよね?」
「いや、だ、だから、変わりにシンがG.W.知らないって情報を教えたし」
「でもそれ根本的な解決になってませんよね? それに実際に調べたのわたしだし」
「そ、そうだけど………」
「はあ団長がこれだと思いやられるわ! 普通なら罰金よ! 罰金よ!」
「誰が団長か!」
「まあまあ」
二人の間を絶妙のタイミングでゆきちゃんが入る。
「かがみさんは今回は大変でしたからそれで大目に見られては?」
「甘いよ、みゆきさん! ねえつかさ?」
「えっ、どんだけ〜」
こなちゃんに振られて固まっちゃうわたし。
お姉ちゃんは抜け駆けしたけど、でも、まだあの人とデートはしてないし………、
でもお姉ちゃんは普段規律は厳しくって言ってるし………、それにお姉ちゃんはすっごく頑張ってたし………
「うん、別にいいと思うよ」
「つかさ!」
「つかさ〜!」
わたしは二人から抱きしめられちゃったの