わたしの彼はすっごく頼りになる



「大丈夫か、つかさ?」

「う、うん、ありがとうシンちゃん」

 階段から転げ落ちそうになるのを間一髪シンちゃんが助けてくれた。

 こうやってシンちゃんに助けてもらったのは、もう沢山あって数え切れないくらい。

 でもね数え切れなくても、どこで助けてもらったかはちゃんと全部言えるんだよ。

 それでね、そのほとんどが今みたいに胸を触ってるんだよ。困っちゃうよね〜。



「あ、あの〜シンちゃんもう大丈夫だから、て、手を離しても………」

「いや、もう少し、このままつかさの胸の感覚を………」

「シ、シンちゃん!?」

 付き合う前まではすぐに手を離して謝ってたんだけど、恋人になってからは全然離さないんだよ〜。



 わたしの彼はとってもエッチ



 ぽつぽつ



 わたしにまかれているシンちゃんの手がとっても心地よくて、しばらくそのままでいたら、頭になにか当たる感触があったの。



「雨だな」

 わたしがそれがなにか分かる前にシンちゃんは呟く。

 その顔はさっきまでと違ってすごっく凛々しい顔。

 笑ってるシンちゃんも好きだけど、こっちのシンちゃんも大好き。

「つかさ、屋根があるとこに行くぞ」

「うん!」

 わたしはあの人の差し出された手をそっと握った。





「やまないねー」

「そうだな」

 わたしたちが屋根のあるところに着いて少し経つと、雨はもう本降りになってきたの。

「ダメだな。携帯で調べたけど、当分降るみたいだな」

「そうなんだ」

 ここから駅までは少し遠い。

 駅まで行ったら地下街でショッピングとか色々できるんだけど、ここはなんにもない。

 シンちゃんとこうして一緒にいれるのはいいんだけど、もっと楽しみたいな………。

 ってわがままだよね、これだけでも十分幸せなのに………。





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