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決して熔けないと思ってた『運命』という鎖。
それが音を立てて砕けていく。
自分は戦士でしかない
そう思ってたのはオレだけだった。
つかさの言った通りオレは男達に大きな怪我を負わせてはいない。
どっちの場面も男達を手にかけるというより、懲らしめるという意識が最初に向いていた。
思えばこなたもかがみもみゆきもオレの過去を知っても、戦士という目では見ていなかった。
ただ心が通じ合う親友として見てくれていた。
そのお陰でオレは知らず知らずに鎖から外れていた。
本当はすっと前から抜け出れていたのに気付いていなかった。
そんな全く分かっていないオレにつかさは鎖を壊して気付かせてくれた。
そしてオレは鎖の変わりに物凄く重いものを皆から渡された。
「つかさ、それはハードルが高すぎるぞ」
「えーそうかなー?」
でもその重いものを背負う事が出来て凄く嬉しい。
「つかさって思ってたよりタフだな」
「そ、そうかな?」
つかさはあんな状態になってもオレの事をオレ以上に見ていた。
『つかさはあんたが思ってるほど弱くない』
つかさをよく知ってる人からの言葉が蘇る。
まったくだ。勝手にがんじがらめになってるオレなんかよりはるかに強い
「どうしたの?」
「いや、ただこんなんだったら最初から全部話しとけば今回みたいな事にならなかったのにな、って思ってさ」
「うーん、それはどうだろ?」
「そこは、そうだね、だろ!」
「あう〜」
オレは笑いながら、つかさの頭を少し乱暴に撫でた。