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周りは暗かったけどつかさが頷くのが見えたから、一呼吸置いてオレは話を続ける。
「いきなりこんな事言って信じられないかもしれないけど………、オレはこの世界の人間じゃない、違う世界の人間なんだ」
「違う世界………? 外国とは違うの?」
「違うな…そうだな………、違う星や漫画やゲームの世界、そんなところから来た、そう思ってくれ」
こう言っても信じてくれるかどうか分からない
信じてもオレに対する目が変わるかもしれない
全てを受け入れてくれるなんてのは願望でしかない
でも話さないといけない、何より知って欲しかった
「そうなんだ〜! シンちゃん、星の王子様みたいだね!」
「な、なっ!?」
思わぬつかさの反応にオレは目を丸くする。
今のつかさの言葉、痛い事をのたまわってる人に対する対処の仕方とは違う。
その証拠に目をキラキラとさせてこっちを見てる。
確か妹が憧れのアイドルか何かを話す時こんな目をしていた。
でもさすがにこれは予想外だな………
こんなんだったら最初から話しても問題無かった気もする………
何はともあれ、つかさは苦もなく第1の壁を壊してきてくれた
でもここからが本番なんだ
「そこでオレがしていた事を全部話す」
「うん」
オレの気持ちが伝わったのか、つかさはさっきよりも真剣な表情で一言一句逃がすまいと身じろぎもせずにこっちを見てくる。
「オレの両親と妹は―――」
なんとなくだけど、大丈夫、そんな気がした。