41


 後ろから視線を感じた。

 男達は全部片付けたはずだけど………



「!! つかさ………」

 訝し気に後ろを振り向くと、少し先につかさが見えた。



 なんでつかさがここに?

 理由は分からないけどつかさの様子から襲われたり、怪我をしたという事じゃないのが分かった。



 だったらいい



 オレは安堵感と共につかさに再び背を向ける。

 また戦ってる時の姿を見られてしまった。

 今のオレがどんな事を言ってもつかさを脅えさせるだけだろう。



 残念だけど、また別の機会につかさと仲直りすればいい

 こんな時だってある

 オレは自分に強がりの言葉を掛け続ける。



 後ろから足音が近付いてくる。

 こなたが慰めの言葉でも掛けに来たのだろうか?



「シンちゃん」

 オレはその声に少し迷い、そして振り返る。

 そこには声の通りつかさが立っていた。



「つかさ、そ、その、オレが、怖くないのか?」

 しばしの沈黙があって、視線を外しつつ先に言葉を出したのはオレの方だった。

 今の状態は完全に前の時と一緒だった。

 オレはつかさの前で強すぎる力を振るい、完全に覚醒した状態になっている。



 だけど1つだけあの時と違うところがある。





戻る   別の日常を見る   進める