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後ろから視線を感じた。
男達は全部片付けたはずだけど………
「!! つかさ………」
訝し気に後ろを振り向くと、少し先につかさが見えた。
なんでつかさがここに?
理由は分からないけどつかさの様子から襲われたり、怪我をしたという事じゃないのが分かった。
だったらいい
オレは安堵感と共につかさに再び背を向ける。
また戦ってる時の姿を見られてしまった。
今のオレがどんな事を言ってもつかさを脅えさせるだけだろう。
残念だけど、また別の機会につかさと仲直りすればいい
こんな時だってある
オレは自分に強がりの言葉を掛け続ける。
後ろから足音が近付いてくる。
こなたが慰めの言葉でも掛けに来たのだろうか?
「シンちゃん」
オレはその声に少し迷い、そして振り返る。
そこには声の通りつかさが立っていた。
「つかさ、そ、その、オレが、怖くないのか?」
しばしの沈黙があって、視線を外しつつ先に言葉を出したのはオレの方だった。
今の状態は完全に前の時と一緒だった。
オレはつかさの前で強すぎる力を振るい、完全に覚醒した状態になっている。
だけど1つだけあの時と違うところがある。