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「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ―――」
今どこを走ってるんだろ?
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ―――」
もう何分くらい走ってるんだろ?
どっちもわからないけど、ずっと走っていられるほどわたしに体力はなく、全身が悲鳴を上げて体を止める。
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ………。
終わっちゃった………」
ほっといても全てが勝手に消えてるはずだったのに、自分から全てを消しにいっちゃった………
ほんと、わたしってばか………
これから卒業までわたしはみんなを遠くから一人で見ていて、耐えられるのかな?
でも、今から別の人たちのグループに入るのは、わたしのこの性格からもとても無理………
「一人ぼっちになっちゃったよ………」
「じゃあおれたちがお友だちになってやるよ」
返ってこないはずの呟きに、返事をされてわたしは反射的に頭を上げる。
「なーいいだろ?」
気づいたら数人の男の人にわたしは囲まれていたの。
「あ、あの………」
「さーて行こうか、いいところに」
「は、放してください!!」
わたしは非力な力で振り払おうともがくけど、男の人たちは気にせずにわたしを引きずっていく。
いやだ! 怖いよ! 助けて!
お母さん、お父さん、いのりお姉ちゃん、まつりお姉ちゃん!
お姉ちゃん!!
助けて―――
「つかさー!!」
それは空耳でもなんでもなく、後ろからはっきりとあの人の声が聞こえた。