29
放課後、オレ達4人はつかさを帰し3年B組に集った。しかし、会議はすぐに行き詰った。
徐々に軽口も消え、重い沈黙がオレ達を支配していた。
「もうこのままでいいんじゃない?」
それはこなたが発した小さな言葉だった、いや呟きだったのかもしれない。
だけど静かすぎるこの教室にはよく響いた。
「というかさ、シンはつかさに話しかけるのを止める!
わたし達はつかさと普段通り接する! これでいいじゃん!」
「あんた何言ってんのよ!?」
即座にかがみが立ち上がりこなたに詰め寄る。
「そんなのなんの解決にもなってない!! ただ蓋をしてるだけじゃない!?」
「だったらかがみ、つかさとシンの仲を今すぐ元に戻してよ!!!」
「そ、それは………」
しかしこなたはかがみの剣幕に怯む事無く、逆にそれ以上の剣幕をかがみに突きつける。
「わたしは嫌なんだよ!! つかさもシンもこれ以上傷つくのを見るのは!!!」
「だから、それを止めるためにこうして話し合ってるんじゃない!!」
「でも何も出てないじゃん!!」
「だからって諦める気!? あんた他人事って思ってるでしょ!?」
「なっ!? かがみ、もう少し冷静になったら?」
「あーそうねーもっとあんたみたいなオタクの様にドライに生きたいわよ」
「これだからシスコンは………、周りが全く見えなくなる。やだやだ」
これは完全に2人のいつものじゃれ合いというものじゃなかった。
こなたもかがみも本心からの言葉じゃないだろうが、明らかに2人共歯止めが利かなくなっている状態になっていた。
「御二人共、落ち着いてください!!!」
オレが止めるより早く、みゆきが机を叩いてなんとかその場を収める。
「……休憩しましょう
こんな状態ではいい案なんて出ません」
頭を押さえるみゆき。こんなに焦りを露にしているみゆきを見るのは初めてだった。