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「今日の放課後、もう一度解決策を考えます」
ゆきちゃんがお姉ちゃんかこなちゃんからのメールを見て、わたしにそう告げる。
でもわたしはなにも言えなかった。だけど不安な顔はしてるんだと思う。
「大丈夫ですよ、きっと何か妙案が浮かぶはずです」
だからゆきちゃんは心配ないという微笑みをわたしに向けてくる。
「……どうして? ………」
「はい?」
「どうしてみんな、そんなによくしてくれるの?」
この一週間ほどどうにか歩み寄ろうとしてくれきてくれるあの人を、わたしは拒み続けていた。
でもそのことで誰もわたしを責めようとしなかった。
それどころか、慰めたり、励ましたりしてくれた。
そしてあの人も全然諦めることなく、わたしに話しかけようとしてくれた。
「親友だからです」
「えっ?」
「つかささんは私達にとって大切なお友達、親友だからです」
ゆきちゃんの言葉はすごく嬉しかった。
でもわたしは今もこうしてあの人を傷つけてる。
それはみんなの好きな人を傷つけてるということなんだよ?
それなのにわたしは自分からなにもしようとせず、時間が経って自然に仲が消えるのを待ってるだけで、みんなの優しさに甘えて………
こんなの親友、ましてや友達でもなんでもないよ!!!
「わたし、みんなに迷惑しかかけてないのに………」
言葉の続きは目からこぼれる涙に止められる。
せめてもう泣かないでおこうって決めてたのに………
「つかささん、私達はつかささんから大切なものをちゃんと頂いてますよ」
そう言ってゆきちゃんはハンカチを差し出す。
でもわたしはそのハンカチを取ろうとはしなかった。
「信じられませんか?」
わたしは素直に頷く。
ばかなわたしでもこれがゆきちゃんが励ますために、ついた嘘だと言うことがわかるから………
「それでは、お恥ずかしながら、私がつかささんから頂いてるものを言ってもよろしいですか?
これは泉さんもかがみさんもそしてシンさんも、大同小異で同じだと思います」
わたしがなにも言わないのは、次の言葉を待ってると受け取ったゆきちゃんは小さく頷いた。
「私達がつかささんから頂いてるもの、それは―――」