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取り合えず落ち着く為にオレは弁当を取り出そうとする…が
「どうしたのよ?」
「……弁当、持ってきてない………」
「はあ!?」
信じられないという顔でかがみがこっちを見てくるが、それはオレも一緒だ
「じゃあ売店で買ってきたら?」
「……財布も持ってきてない」
「ちょっと、いくらなんでもぼーっとしすぎじゃない!?」
「だよな………」
これはさすがに我ながら呆然とするしかない
「……ねぇかがみ、今日って何曜だっけ?」
「いきなり、何よ? 今日は木曜日………」
『あっ!』
オレとかがみは同時に小さく声を上げる。
木曜日、それはつかさがオレに弁当を作ってきてくれる日。
そして今のオレとつかさの関係を考えれば、つかさが弁当を作ってきてくれる可能性はほぼない。
先週の木曜日は日も経っていなかったし、その事は分かっていた。
だけど今日はそんな事は頭から飛んでいた。
つかさとの関係が分かっているはずなのに、オレは今日はつかさが弁当を作ってきてくれる日と無意識に思ってた。
「シン………」
「シン………」
オレを見る2人の目、それでいかに自分が弱ってるかを認識させられる。
そしてオレの中でつかさの存在が、自分が思ってるより大きいという事を痛感する。
「――放課後―――」
言葉が呟かれる、オレとこなたは声もなく、その声の主、かがみの方を見る。
「今日の放課後、もう一回解決法を考えるわよ!!!」
「うん! こりゃなんとかしないとシンがだめになるね!」
そんなのはいらない、とは言えなかった。
オレも限界だったからだ