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なんとなく予感はしていたけど、やっぱりつかさはオレの席には来てくれなかった
薄々分かってたとはいえ、やはりショックであるのは間違いない
たかだか昼ご飯を一緒に食べる、ただそれだけの行為だってのに
「取りあえずだけど、つかさの方は大丈夫みたいだね」
安心したのはつかさが1人で昼ご飯を食べるという事はなく、かがみが一緒にいてくれてるという事か
ただこんな事はいつまでも長引かせたくはない
「シンさん、申し訳ありませんが、昨日あの後どうなったのかお教え下さいませんか?
私達でも何かお役に立てるかもしれません」
みゆきの顔にもそしてこなたの顔にもオレと同じ想いがかかれていた。
すなわち、皆で一緒にいたい、と
「ああ、頼む」
こうなってしまっては俺1人の力ではもう解決する事は出来ない
皆に迷惑を掛けるのは嫌だけど、変なこだわりやプライドは捨てるべきだ
オレには皆がいるんだから
「でもどうしてそうなったんだろう? わたしもつかさと仲良くなるきっかけはそんな感じだったよ?」
オレから昨日の説明を受けてこなたは首を捻る。
「知るかよ」
オレは吐き捨てるように答える。
こなたの場合どうだったかは知らないけど、実際につかさはオレに怯えを抱いてる。
「なっ!? そんな言いか―――」
「恐らくですが」
こなたにしては珍しくオレに食ってかかろうとするのを、みゆきが強い言葉で割って入る。
「つかささんは今まで見なかったシンさんのお姿に、ショックを受けられたのではないでしょうか?」
「でもかがみは平気みたいだったぞ?」
あの時のかがみは無理をしているという感じではなかった。本気でオレを心配してくれていた。
それは自信を持って言う事が出来る。
「かがみさんはシンさんの過去を知っておられますし、そ、その………」
言い淀むみゆき、訝しげな顔をするオレ、そんな中でこなたは意味が分かったらしく口を開く。
「そっか! かがみとシンっていつもケンカしてるもんね。
ある程度は怒ってるシンを見慣れてるってことだね!」
こなたが言う、いつも、というのは大げさだがオレもかがみも意地っ張りと負けず嫌いな性格のため、
この世界に来た当初から今もかがみとは会えば口ゲンカをしていた。
別にそれは憎んでいるというわけじゃなくて、自分の事を知ってほしい、解ってほしいという意味ケンカしていたという事を今なら理解できる。
だが、どちらにせよケンカをしている時は、何かしらの負の感情が付いている顔を見せているはずだ。
それは数こそ違うがこなたやみゆきもそうだ。
だけど
「オレはつかさとケンカした事がない」
ケンカどころか、つかさに対して怒ったという記憶がない。
会った当初はかなり距離を置いて接していたが、それは誰にでもだったからこの場合は別だろう
つかさとかがみ、あの時のそれぞれの行動は2人の性格の違いというのもあるだろうけど
見てない、見てる
知らない、知ってる、ではこういう事になるのは当然だろう
……つまり