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 お姉ちゃんと一緒に家に帰ったわたしは明かりもつけずに自分の部屋で、混乱する頭をなんとか整理しようとしてた。



 わたしたちを助けてくれたのは間違いなくあの人だった

 世界中探してもわたしたちをああやって助けてくれるのはあの人だけ

 それなのに、体が、頭が、あの人を勝手に否定した



 ……でもそんなのはなんの理由にもならない………

 実際にわたしはあの人の手を拒んじゃったから………

 それは本当のこと、事実だもん………



 わたしがあの人を拒んだ時の顔は今でもはっきりと浮かんでくる。

 あの顔に似た顔は時々だけど、見たことがあった。

 それはあの人がつらい過去のことを思いだしてる時や、わたしたちの誰かと喧嘩しちゃった時にする顔、傷ついた顔。

 でも、さっきの顔はそれとは比べものにならない、見たことがないくらいの傷ついた顔。



 ……そんな顔をさせちゃったのはわたし………



「……嫌われちゃったよね………」

 さっき拭いたばかりなのに、また涙が浮かんでくる

 さっきの怖い時の涙とは違う、でもこれもいい涙なんかじゃなくて後悔の涙

 でもどんなに後悔してもあの時には戻れない

 戻れたとしても、あれ以外の行動をとれる自信がわたしにはない



 だけどお姉ちゃんは違った

 普通にあの人と会話して、笑って、それだけじゃなくて、あの人の心配まですることができた

 きっとこなちゃんやゆきちゃんもそう

 わたしはなにもできない、ううん、それよりひどい



 だたあの人を傷つけるだけ



 それなのに、そんな資格もないのに、あの人の側にいたい、笑い合いたい

 会ったばかりの時だったら諦めれたんだと思う

 でもわたしはあの人の側にいすぎた

 あの人の笑顔も、頭をなでてくれる手もとっても心地良いものって知りすぎた



 でも、それでも



 怖い



 そう思ってる自分がいる



「……わたしどうしたらいいの………」



 全く違う二つの感情にわたしはただうなだれることしかできなかったの





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