8
「ふぇっ………?」
アスカくんの突然の行動にわたしはおかしな声を上げるだけだったの。
だって物凄い速さでお弁当を食べたと思ったら、物凄い速さで教室を出て行ちゃったんだもん…でもそれって………。
「美味しくなかったのかな………」
ちゃんと味見もしたし、いつも通りに作ったけど…アスカくんの口に合わなかったのかな…怒ってもう口聞いてくれないかも………。
「つかさ、違う、違う」
こなちゃんが落ち込んでるわたしの肩を叩く。
「じ、じゃあ、どうして………?」
「お子様なのよ! あいつ!!」
そう言ってお姉ちゃんはなぜかアスカくんが出て行った方を睨みつける。
お姉ちゃんが怒ってる理由が分からないけど、あんなに大人びてるあすかくんを子供って言うんだもん、やっぱりお姉ちゃんって凄いなー。
わたしなんかじゃあやっぱりアスカくんと仲良くなれないよ………。
「つかささん、シンさんが直接仰っておられないので断定は出来ませんが、シンさんはつかささんに対する見る目が変わったと思われますよ」
「…ありがとう、ゆきちゃん………」
ゆきちゃんの励ましにわたしは弱々しく頷いた。
だってゆきちゃんの言葉があってるかどうか分からなかったから………。
それを聞こうにもアスカくんは昼休みを過ぎても教室に戻って来なかったの………。