「ねえシン」

「なんだよ?」

 みゆきさん達が教室を出て行った後、こなたがオレの方を向く。

「つかさのこと嫌い?」

「なんでそんな事聞くんだよ?」

「空気がそんな感じだから。

 それにつかさと二人っきりで話したことないでしょ?」

 こなたに改めて聞かれると、確かにつかさと2人だけで話した記憶はほとんどなかった。

「まあそうだな。

 ただ誤解するな。嫌いじゃない、苦手なだけだ」

「なんで? つかさって妹属性持ってるから好きそうなのに、マ………、ご、ごめん………」

 名前が出た瞬間にオレが見たので、こなたは慌てて自分の口を押さえる。



 今のは知ってる名前が出たから反応しただけの事で、こんな事で目くじらを立てるをほどそこまでオレもガキじゃない。

 だから、気にしてないという意味も兼ねて、オレはこなたに理由を話し始める。

「ああいう他人に頼りまくって生きてるようなヤツはな、気に食わないんだよ」

 オレだって人間が1人で生きれるとは思っていない。

 ただつかさの場合かがみを始め、周りの人に頼り切って生きてる様にしか見えなかった。

「今日だってみゆきさんに助けてもらってさ…アイツ、1人じゃ何も出来ないんじゃないか?」

「あの〜シン、そろそろやめたほうがいいんじゃない?」

 冷笑するオレにこなたは恐る恐るとめに入る。

「なん――」

 こなたに尋ねようとした、瞬間にオレの頭に衝撃が駆け抜けた。



「何、人の妹の悪口言ってんの!?」

 頭をさすりながら声のした方を振り向くと、そこにはかがみが怒った顔で立っていた。

「悪口じゃない! 客観的な事実だ!!」

 いきなり叩かれた事で怒ったオレは立ち上がって言い返す。

 しかし、かがみの接近に気づかないなんて…鈍ったか?

「あんたのどこに客観的な部分があんのよ!?」

「なんだと!? だいたいアンタには関係ないだろ!?」

「あるわよ! あんただって妹さんの悪口言われたら腹立つでしょ!?」

「そ、そりゃ………」



 かがみの言葉にオレは言いよどむ。

 確かにそんなヤツがいたら、オレは確実にそいつを半殺し以上にする。

 だがそもそもオレの妹は、悪口を言われないくらい可愛くて良い子だった。それは断言できる。





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