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「あのーつかささん」
「なーに?」
わたしは隣を歩いてるゆきちゃんの方を向く。
ゆきちゃんは少し言うのを考えてるみたいだったけど、口を動かした。
「つかささんは…その…シンさんがお嫌なのですか?」
「えっ?」
「……先程もですが、つかささんがシンさんと話してるのを見た事がなかったものですから、つい、すみません………」
「ううん、気にしないで。
……嫌っていうより、わたし元々男子と話すのが苦手だから………。
それにアスカくんって同級生なのに、とっても落ち着いてて大人に見えるから、何を話していいのか分からなくって………」
「そうだったんですか…おっしゃるようにシンさんはそういうところがありますね」
「でもみんなアスカくんと仲良くしてるし、わたしも仲良くなれたらと思うんだけどね〜」
わたしは短く笑った。
わたしの周りのみんなはアスカくんと仲がいい。
こなちゃんはアスカくんと一緒に住んでるし、お姉ちゃんはアスカくんが学校に登校する前から何度か会ってたし、
ゆきちゃんはアスカくんが転校初日から仲良くなってたし…だから時々わたしだけが蚊帳の外になっちゃうの………。
「つかささんならきっとシンさんとも仲良くなれます。
つかささんもシンさんも私の大切なお友達ですから」
ゆきちゃんが優しくわたしの手をつないでくれる。
そうだよ。最初はゆきちゃんとも話せなかったけど、今はこんなに仲良くなれたんだもん。
アスカくんともきっと………。
「ゆきちゃんありがとう。わたし頑張るよ」
「はい、微力ながら私もお手伝いさせて頂きます」
「でも、どうしたらいいんだろ?」
「えっ…そ、そうですね………」
それっきりゆきちゃんは考え込んでしまったの………。
一歩目でいきなりつまずいちゃった…どうしよう………。