12
「お前人が良すぎるな。その内痛い目見るぞ」
「お姉ちゃんやこなちゃんにも似たようなこと言われる………」
アスカくんがジト目でわたしを見てくる。
怒るというより、呆れてるみたい………。
ぽん
えっ?
わたしの頭にアスカくんの手がのせられる。
「痛い目見そうになったらオレに言えよ。
大概の事はなんとかしてやるから」
そう言ってアスカくんはわたしに笑いかけた。
その笑顔はわたしが持ってるアスカくんのイメージとは違ってとても、とっても優しかったの。
それにこうして頭をなでられるのは、お母さんやお父さんやお姉ちゃんたちにされたことはあるけど、
それとはまた違う感覚…不思議…でも、いやじゃない。
アスカくんの優しさが伝わってくるから………。
「……あと、弁当美味しかった、ありがとな………」
「えっ?」
わたしがアスカくんの方を見ると、アスカくんは顔を赤くしてそっぽを向いてたの。
……ひょっとして、照れてるのかなー?
「おそまつ様でした。また作ってきていいかな?」
「お、お前が作りたかったらそうしろ! オ、オレは残さず食べてやるから!」
アスカくんはそっぽを向いたまま、ぶっきらぼうに答える。
わたし間違ってた。アスカくんはクールで大人びてるけど、それだけじゃなくて、頼れて、優しくて………
「可愛い」
「ハァー!? つかさ今なんて言った!?」
「えっ? アスカくんって可愛いって………」
「取り消せー! 今の言葉をすぐにだ!!」
「あう〜!!」
アスカくんはわたしの肩を持って、かっくんかっくんと揺さぶってきた。