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「おはよ〜!」

「おーすっ」

 お姉ちゃんが向こうから歩いてきたこなちゃんたちに手を小さく挙げる。

「ああ、おはようかがみ…それとつかさも」

 お姉ちゃんとこなちゃんが、わたしに対する昨日までとは違った雰囲気に驚いた顔で交互にわたしたちを見る。

 でもわたしは驚かなかったの。だって………

 昨日までとは違うから、優しいって知ったから………。



「おはようこなちゃん…シンちゃん」

『シ、シンちゃんー!?』

 わたしの返した言葉にみんなが目を丸くしたの。



「な、なんだよつかさ、その呼び方はー!?」

「えっ? だ、だってこの呼び方が一番しっくりくるから………」

「ぷっ、はははシ、シンちゃん、はははは!」

「シ、シン、か、可愛い呼び方、ふふっ、じゃないの」

「こなた、かがみ笑うな! つかさ、その呼び方は止めろ!!」

「だ、だめかな………」

「くっ! ……あーもう、今日だけはそれでいいから、明日からは止めろよ!」

 そう言うとシンちゃんは怒った足取りで歩いていく。

「つ、つかさ、別にあいつは本気で怒ってるわけじゃないから」

 お姉ちゃんが慌ててわたしに声をかける。

「うん、分かってるよー」

「……なんか知らないけど、仲良くなれたみたいね」

 わたしが頷くのを見て、お姉ちゃんが微笑む。

「全てはわたしの計画通〜り〜!

 さて我々も『シンちゃん』の後を追って学校に行きますか!」

「うん!!」

 こなちゃんの言葉にわたしは頷くと、シンちゃんに小走りで近づいていったの。





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