「そんなに食うのか、あんた達………」

 オレの皿と、女性陣の皿を見比べてオレは言葉を失う。

 その光景は敵対していた勢力のMSが、空一帯に待ち構えていた時のことを思い出させる。

 しかし驚くのはそこからだった。



『いっただきま〜す!』

 というと同時にあれほど皿にあったケーキの群れは、瞬く間に彼女達の口へと吸い込まれていく。

 そして嬉々としておかわりを取りに行ったのだ。

 ちなみにオレはその間ケーキを2つしか平らげていない。



 なんて速さだよ!? あれは!?



 普段のんびりとしてるつかさですらそうなのだから、ケーキの魔力恐るべし! 女は強し!



 ……のはずだった………





「さすがにきつくなってきたわね………」

 かがみの言葉にそりゃそうだと心の中で呟く。

 皆に疲労の色が見えてきたのはもう何皿目のことだったか、正直見てるだけで胸焼けしてきたので数えちゃいない



 確かウェイトレスの話だと、非常識な残し方をすると追加料金を取るらしい。

 そしてオレの皿を除いて、ケーキの残り方は明らかに不自然。

 だけど、こなたやつかさ、そしてかがみですらもはや限界に近い。

 さてどうするつもりだ?



「もう無理、絶対無理!」

「もうやめて、わたしのライフポイントはとっくに〇よ!」

「…………」

 2巻食いに、水で無理矢理流し込んだとはいえ、目標までは後少し足りない。

 こりゃ追加料金だな、とこなた達に同情していると、あることに気付いた。

 その視線は、最後の防衛ラインにアイツ達が攻め込んで来た時に、自軍の兵がオレを見る目にそっくりだ。

 それは期待という瞳。



 何に期待? とは聞くまでもない。

 オレの役目はいつだって敵を払う、それなのだから

 だけど





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