試験も無事に終わって、今日はお姉ちゃんが提案した息抜き。

 でも見た映画はとっても怖いホラー映画。

 これじゃあ息抜きにならないよ〜



「というか嫌だったら反対すれば良かったと思うんだけど」

「だって………」

「まあオレはつかさの行動で楽しませてもらったからいいけどさ」

「はぅっ!」

 シンちゃんとは最近あることがきっかけで、話すようになったの。

 今みたいにからかってきたり、ちょっときついこと言うけど、本当は優しくて、頼りになって、かわいい。

 そういうところはどことなくお姉ちゃんに似てるかも



「この後どうする?」

「ちょっと腹が減ったよな」

「じゃあケーキバイキングは?」

「いいわね」

 お姉ちゃんに続いてわたしもこなちゃんの提案に頷く。

 うん、これで今度こそ気が晴れるよね!



「バイキング、それは女の欲望番外地!」

「オレは男なんだけど………」

「シンちゃんはケーキ嫌い?」

 目的地へと意気揚々と歩く、わたしたちとは逆にシンちゃんは呟く。

 その顔はとっても苦いものを食べる顔。



「嫌いじゃないけど、バイキングするほど食べたくはないな」

「嫌だったら、お姉ちゃんたちに言ったほうが………」

「いや、さすがにあんなに盛り上がってるのにそれを言うのはちょっとな………」

 そういうとシンちゃんは大きなため息をして、お姉ちゃんたちの後をついて行く。

 やっぱりシンちゃんってとっても優しい。

 最初は男子が一緒のグループに入ってきたから、どうなっちゃうかって思ってたのに。

 今はこうして、お喋りできて、笑い合って



「まあ言ってもどうせ聞かないだろうしな。行くか」

「あはは」

 そして頭をなででもらって―――



 どくん



 あれ?



「どうした?」

「ううん、なんでもないよ」



 今の胸の苦しさ



 あれはなんだったんだろ?





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