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待ち合わせ時間に五分前に到着。やっぱりシンちゃんの姿は見えない。
シンちゃんから少し遅れるメールが来たのはちょっと前。
文面からもどんだけ〜な状態になっているのが分かるくらい
まるでわたしが携帯を持った最初の時みたいな誤字や脱字がすっごく多かったの
「お仕事忙しいのかな…そうだよね………」
お仕事を始めてからシンちゃんは、わたしと会う時は明らかにホッとした顔をするの
それはシンちゃんがわたしの前では無理してなくて全てを見せてるってことですごく嬉しいことなんだけど、
同時にシンちゃんのことがすごく心配になる
わたしもっとシンちゃんの力になりたいな
でもどうやったら、なれるんだろう?
前に皆がわたしといるだけでシンちゃんの力になってるって言ってくれたけど、
それもここ最近シンちゃんが忙しくて、なかなか一緒にいれないし………
「いけない、いけない」
俯きがちな自分の首を振り、不安な心にさよならする。
笑顔を作り、携帯鏡でチェック☆
うん、大丈夫! いつもの笑顔
わたしが笑っとかないとシンちゃんに心配を掛けちゃう
わたしの笑顔でシンちゃんを、大好きな人の少しでも助けになるのなら、ちゃんとしないと
それがわたしのお仕事
それを必要としてくれる、それがわたしの自慢
時計を見ると、待ち合わせ時間をとっくに過ぎていたの
なんで、待ち合わせって待ってる時は時間がゆっくりに感じるのに、遅れてる時は早く感じるんだろー?
「つかさー」
そんなどうでもいいことを考えていたら、シンちゃんの声が聞こえてきた。
「はぁはぁはぁはぁはぁ! 悪い遅れた!」
わたしの前に着くなりシンちゃんは手を膝にのせる。
この様子だと会社から走ってきたみたい…走ったら確か三十分くらいかかるはずだよ
この寒いのに、そんな薄着で………
わたしは用意してたクリスマスプレゼントのマフラー(もちろん手編みだよ)を、シンちゃんの首に掛ける。
ちなみにわたしからのクリスマスプレゼントは編み物で編んだ防寒具一式だよ☆
「メリークリスマス、シンちゃん!」
「あ、ああ」
シンちゃんの顔に少し赤みが増した。