「いらっしゃーい!」

 玄関のドアが勢いよく開かれ、オレの彼女であるつかさが顔を覗かせる。

「久しぶりだな、つかさ」

「うん!」

 いつにも増してテンションが高いつかさ。それだけオレとのデートを楽しみにしてくれたって事なんだろう。

 可愛いやつっだな。



「シンちゃん、どうする上がっていく?」

「いや、もうすぐに行こうぜ」

 つかさも用意が出来てるみたいだし、一刻も早くつかさとのデートを楽しみたい。



「うん! うん!」

 ただ、つかさのテンションが………、完全に我を忘れてるみたいだな。

 オレはそんなつかさでも構わないけど、それだったらつかさが楽しめない。

 ここに来るまでは相当に緊張してたけど、つかさの姿を見ると緊張よりも、安らぎがオレの心に広がった。

 だから今度はオレがつかさを落ち着かせないと。

 オレ達2人が楽しめないと、この初デートは成功とはいえないからな。



「つかさ、オレは逃げるの嫌いだから、当然逃げないから」

 本日1回目のつかさの頭をなでる。

 女の子らしい柔らかな髪質が手に心地よい感触を与え、甘い香りが鼻をくすぐる。

 最低でも3回はしたいな、っと勝手に本日の目標を立てる。

 一方のつかさはしばし呆けた表情をしていたが

「うん! そうだよね!」

 屈託のない笑顔を浮かべる。

 これがつかさの笑顔、オレが待ち望んでいた笑顔。



 やっぱり可愛い





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