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キーンコーンーカーンーコーン♪
「う〜ん、終わったー」
今日の授業終了のベルと共に、軽くノビをしてオレは席を立つ。
目指すはつかさの席。
「つかさ、今日どっか寄って行かないか?」
オレは昨日の自分勝手な振る舞いのお詫びと、そして何よりアプローチの為につかさを誘う。
「ごめんね。今日はちょっと………、ほんとにごめんね………」
つかさは困った笑みを浮べつつ、オレの誘いをやんわりと断る。
「そ、そ、そうか………」
つかさにこんな顔されては強くは言えない。オレは自分でも分かるくらいに肩を落とす。
昨日の一件をお互い引きずる訳でもなく、オレもつかさも接していた。
オレ達はあれ以上の事を乗り越えてきたから当然といえば当然だ。
ただ………。
「株は下げたかもな」
オレはつかさが出て行く背中を見ながら呟く。
相談に乗るどころかいきなり怒ったのだ、無理もない。
全くもって昨日のオレを蹴っ飛ばしてやりたい。
「はぁ」
溜め息は空を舞い、霧散する。
今日も眠れぬ夜を過ごす事になりそうだ。