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「あの人たちは断ったの………」
「断った? 全部?」
「うん………」
やっぱり断ったって言う時は胸が痛い
でも負けちゃだめだよ!
ここで頑張らないと、わたしこれからもずっとなにもできなくなっちゃう!
あの人の側にいる資格もなくなっちゃう!
「だからごめんね。せっかくシンちゃんが誘ってくれてたのに、全部断って………」
「そ、そうだったのか………」
あの人にしては珍しく呆然とした顔。
そうだよね、わたしがそんなことするなんてきっと思ってなかったよね
いつも流されてばっかりで………。いつもはそれでもよかった、だけど今回だけは流されるわけにはいかなかったの
「断ったのにも理由があったんだよ。わたしに告白してきてくれた人はみんないい人ばっかりで………、
でもそれでもわたし断っちゃったの………」
だめ、逃げちゃだめ、泣いたらだめ
「理由があったんだよ!!」
もう少しだから、我慢しよ?
「それはね好きな人がいたから! ずっとずっと好きな人がいたから!!」
ここまで息継ぎなしでいたから言葉が止まる。
空気を吸うと、余計に胸がどきどきする。
足が震える、ううん、足だけじゃなく体全体が震えてる。
もうちょっと、あとちょっと
これを言うために今までがんばってきたんだもん
「シンちゃんとってもとっても、大好きです!」