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「つかさもね、色々とがんばってるんだよ………。
それなのに、シンは、シンは、………」
子供の様に泣きじゃくるこなた。
きっとこなたはオレよりもつかさの今を知ってるんだろう
そのことで嫉妬することはなかった。
オレがもしつかさだったら自分勝手なオレより、普段はふざけてるけどいざって時に親身になるこなたに相談する。
そうだよな。確かにオレは何も変わってない
自分の考えばっかりをぶっつけて、他の人の言葉に耳を傾ける努力もしてない。
そりゃ、怒るよな。本当に憐れなくらいオレは変わっていない。
でも、変わりたい
せめて、オレが大切って思っている人達が何を思っているかを知っておきたい
今度こそ大切な人を失いたくないから、愛しい人の隣りにいたいから
「ごめん、ありがとうな、こなた」
迷いはなくなった。
今度つかさに会ったらちゃんと言って、つかさの答えをちゃんと聞く。
それだけのことだ。
「……うん、許すよ。…これが私のさい………、だから………」
「なんて言ったんだ?」
「さあ?」
聞き返したオレの言葉をはぐらかして顔を上げたこなたは、もういつものユル〜イ顔だった。
「じゃあシン、今度こそ変わったシンを見せてもらおうか!」
「どうやって?」
「新しいシンはちゃんと人のことを考えれるんでしょ? てなわけでつかさを呼び出そうぜぃ!」
「ハァ? 今からか!?」
今更隠す必要もないし、何よりでっかい貸しを作ったのだから、オレもつかさに対する想いの事を否定はしなかった。
ただ、さすがに今から告白するというのは………
「まさか」
こなたは不敵に笑う。
「こういうイベントは卒業式前って決まってるじゃん?」
オレは本当にこの世界にきていいやつに出会えたと思う。