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 ついに明日オレ達は卒業式を迎える



 陵桜学校に入って本当に良かったと思ってる

 もう2度と出来ないと思ってた楽しい思い出や、2度と見つける事が出来ないと思ってた大切な人達に会えた。

 ただ悔いがあるとすれば、この1週間つかさとまともに話せてないという事くらいか



「で、悩みってのは?」

 オレの想いを慮る事もなく、身も蓋もなくぶった切るこなた。しかも、ゲームしながら。

 軽くひねってやろうかという考えを辛うじて払いのける

 なんたって、今はオレが悩みを相談しにきてるのだから

 この世界に来た当時のオレだったら他人に自分の事を相談するなんて、考えられなかっただろう。

 『ユル〜ク』されて、思いっきりケンカして、傷を癒されて、世話になりっぱなしだ。

 ただそういった人との触れ合いが、今のオレにはとても心地良いものとなっている。

 それもこなたやかがみ、みゆき、そして…つかさのお陰。

「で、悩みってのは?」

 こなたがようやくこっちを振り返った。



「じ、実はな、そ、その、つ、つかさ、の、こ、こと、なんだけど………」

 オレにだってプライドはある。

 あくまでも今回は、こなたにはオレがつかさにどう思われてるかを聞くだけで、オレの想いをこなたに悟られてはいけない。

 そんなのが分かられたら、こなたに四六時中からかわれるのが目に見えてる。



「うん」

 そんなオレの気持ちが分かっているのか、分かっていないのか、こなたは一言頷くと続きを促してくる。

 どうにもオレばっかり話すとボロがでそうな気がするんだけどな

「つ、つかささあ、さ、最近、オレ、つ、付き合い悪いだろ? お、お、怒って、な、ないか?」

 考えていた言葉が考えていた以上にどもって出てくる。

 しかも相手はつかさ本人じゃないんだ、こんなのでオレは本当に大丈夫なんだろうか?



「怒ってると思うの?」

「つかさはお人良しだから、怒ってないとは思うんだけど…どうにも避けられてる気がさ………」

 この1週間、つかさはオレがバイトのない日に限って用事があるといって、先に帰ってしまっている。

 これを偶然と片付けるか、それとも………



「偶然、偶然」

 こなたが手をパタパタと振る。

 だけどオレはそう思えない。

 つかさなら人を嫌うはずがない。

 ましてやオレとつかさはそれ以上に絆がある、と思っているのが甘えだ。

 何かがきっかけで人との仲は崩れる。

 オレはそもそも人付き合いが上手くない。

 つかさもどちらかというと内向的だし、例の一件で薄情な態度を取ったオレに愛想が尽きたのかもしれない。



 理由は単純、そして十分に考えられる可能性。



 でも



 そんなの納得できるか!





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