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「それでさーそこがくさくてね〜」
「あるある」
ファミレスでみんなとおしゃべり。特に目的もないけどこうやってるのはとっても楽しい………、あの人がいないのは残念だけどね
「つかささん、お疲れですか?」
「あっ、ううん、そんなことないよ!」
でも今日のわたしはみんなの話す内容も右から左へと受け流し気味。
なんでかっていうと、みんなに言わなくちゃいけないことがあるから。
「そういえばつかさ大丈夫だったの? 逆恨みとかされなかった?」
「うん、大丈夫。すっごくいい人だったよ」
「つかさ、それ本人聞いたら包丁持ってくると思うよ〜」
「そ、そうなの?」
真顔で頷くみんな。
こ、今度から気を付けないと………
「後二人、よね?」
「うん。
そ、それでね、ちゃんと断ったら、わ、わ、わたし、シ、シンちゃんに、シンちゃんに告白する!!!」
勢い余って立っちゃうわたし、お店中の視線独占
恥ずかしいから座ります
「ちょ、ちょっと本気!? 勢いに流されてない!? ちゃんと考えた!?」
お姉ちゃんがおでこがぶつかるくらいの距離まで迫ってくる。
いつもだったら、お姉ちゃんの言葉でもう一回考えるけど、今回は何回も何回も考えて自分で決めたこと。
だからわたしは迷わずに頷く。
「最初は断るのがすっごく嫌だったの。でもね、断った時わかっちゃったの
この人は本気でわたしを好きなんだって。多分まだ断ってない二人もわたしなんかを本気で好きになってくれたんだと思うの
そんな人たちを断るんだから、わたしもちゃんと自分の気持ちを好きな人に言わないと、
そうじゃないと断った人たちに悪い気がするの………」
あの人にはフラレるかもしれない。ううん、多分フラレる
でもそうしないと、わたしは意味もなく三人もの人を振ったことになっちゃう
わたしもフラれた時を時々考えちゃうけど、想像するだけなのに悲しくて、胸が破けそうなくらいに痛くて涙が止まらなかった。
きっと本当だったらもっと痛い
そしてわたしは告白してくれた人にそれを与えてしまった
そんなことをしたのに、このままただあの人の隣にいれるというのを望んで、
なにもしなかったら、勇気を出して告白してきてくれた人たちに失礼だから
それがわたしにできるわたしを好きでいてくれた人への、せめてものお詫び
「ってつかさ、涙、NAMIDA、ナミダ!!」
「ふぇ!?」
こなちゃんの声に目の当たりを触ると、水滴が手に掛かったの。
あの人への想いと、自分勝手な懺悔の仕方に対する罪悪感
その二つが混ざったものは拭いても拭いても、後から後から溢れてくる。
そんなわたしを隣で座ってるゆきちゃんが背中を優しくさすってくれた。
「ごめんね、みんな」
わたしはようやく涙が止まるとみんなに謝る。
せっかくみんなで楽しいおしゃべりをしてたのに、わたしのせいで………
「お気になさらないで下さい。私はつかささんの勇気ある行動を尊敬します」
「どう? 私の片割れは凄いでしょ?」
「いや、凄いのはつかさであってかがみじゃないし」
みんなとっても優しい顔でわたしを後押ししてくれる。
みんなと同じ人を好きで本当に良かった。
でも、こんなのって………
「ず、ずるいよ、みんな〜」
止まっていた涙が再び出てきて、わたしの視界をぼやけさせたの。