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「で、つかさそろそろ教えろよ」
「えっ、なにを?」
「名前よ、名前」
あの後お母さんが頃合いを見て入ってきて、今病室にはシンちゃんとわたしとお母さんの三人だけ。
「お前が起きないから、赤ん坊達をなんて呼ぶか困ってたんだぞ」
シンちゃんはもういつものシンちゃんに戻ってる…さっきまで泣いてたくせにー♪
「うん、じゃあ発表しま〜す!
……名前は『みこと』ちゃん! でどうかな?」
「『みこと』か………、いいんじゃないか」
「うん、素敵じゃないかしら」
「えへへ、でしょ〜♪」
男の子、女の子どっちが生まれてきてもいいように不自然じゃない名前を考えるのは苦労したんだよ〜。
「じゃあもう一人の名前は?」
「えっ?」
不思議なことを聞いてくるお母さん。なんで名前がまだいるんだろ?
ま、まさかシンちゃんと次の子の名前!?
「もう〜お母さん気が早いよ〜二人目なんて」
「ん? 何言ってんだつかさ? もう一人いるんだからもったいぶらずに教えろよ」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
順番に同じ言葉を言う私達(こういうのを同口異音って言うんだよね♪)。
「あ〜つかささん」
「なーに?」
シンちゃんがこなちゃんみたいな口調で私に話しかけてくる。
「我々の子供は男女の双子なんですけど」
「へー…って、えええー!?」
わたしは病室の視線を独り占めしちゃったの