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『日輪の力を借りて』
声が聞こえる、遠いような、近いような。いやそんなことはどうだっていい
『今、必殺の、サン・アタァァァァック!!』
どごすっ!
「がはっ!」
呆けているところに叩き込まれた一撃は覚醒するのに充分。
視界が開け、青い髪の少女が高く跳んでいた……って!!
「ダイタァーン、クラッーシュ!!!」
「こなた、お前!」
間一髪のところでこなたの跳び蹴りを回避するオレ。
こなたの方は体勢を崩すことなく着地、そして不満そうな顔で
「トドメ演出を避けるとは」
「やかましい! 何勝手に人の部屋に………」
そこでオレは気付いた。窓から見える空の色が青から黒になっていることに。
「オレは一体何を………?」
「さあ? わたしが帰ってきた時はすでに石化してたよ」
そうか気を失ってたのか、しかしつかさのあの言葉がこれほどの威力を持っていようとは………。
「ってつかさは!?」
「またなにか余計なことをしたんだね」
「違っ………、くない」
「キミは学習能力がないのかね」
「でもオレはつかさを怒らせたことはなかったぞ!」
「つかさを怒らせたんだ……ある意味凄いね」
「うぐっ」
こなたの言葉に完全に撃沈されるオレ。
しかもこなたに哀れみの目で見られるとはなんたる屈辱
でも悪いのはオレだし………、ってんなことしてないで早くつかさを追いかけないと!
そう思うとオレはもう行動していた。
「シーン、晩飯抜きでいいよねー?」
「ああ!」
後ろから聞こえるこなたの声にオレは階段を転げ落ちるくらいの勢いの中答える。
たかだか一食どうとでもなる。それよりもこれからつかさに会えなくなる方がはるかにつらい。