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大きな扉を開けて、オレとつかさは他人様の豪邸に入る。
事前にみゆき達が、遊びも兼ねて掃除をしてくれていたので、目立つ汚れもない。
ちなみにオレ達恋人同士が使うからという理由を知って、みきさん、ゆかりさん、ほのかさんもノリノリで掃除に参加したらしい。
そこまでされると妙にムズ痒い
「台所も使える、よね?」
「ああ、ていうか普通の家のよりも立派だぞ」
それを聞くとつかさの顔が輝き、体がそわそわし出す。
もうちょっとジラしてその姿を堪能したい気持ちもあるけど、オレはそこまでドSじゃない。
「見てきたらどうだ? 左の奥だ」
「うん!」
走り抜けるつかさ、そしてお決まりの様につんのめる。
なんとかコケはしなかったけど………。
「……シンちゃん、みた?」
「……いや、山上るからパンツだろ」
「あっ!」
さらに顔を真っ赤にさせて、走るつかさ。
相変わらずの天然っぷりに最初から可愛さのクライマックスだ。ある意味でオレの方が持つか不安になってきた。
『わぁー!!』
廊下の奥からつかさの感嘆の声が上がる。
これだけ喜ばれたらもうプレゼントなんていらないんじゃないのか?
オレは頬を緩めながら、2人の荷物を寝室へと運んだ。