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「っていうかみゆき、凄すぎ」
「そうですか?」
道を後ろ向きで歩いてるシンさんに私は微笑みかけます。
「初めてだったんだろ? だったらやっぱり凄いセンスだぜ」
「ありがとうございます」
確かに私は一枚の硬貨で最後まで行くことが出来ましたが、それはシンさんがほぼすべての敵を倒されていたからです。
そしてその時のシンさんの顔、それはやはり私が思った通りの顔でした。
視界に入ったものを親の敵の様に鋭く睨み付け、とても怖く、哀しく、そして脆いものでした。
「なあ、どうだった?」
先ほどとは一転して俯き、小さな声でシンさんは尋ねてこられます。
尋ねられたのはゲームに対する感想ではないでしょう。
何を尋ねられて来られているのかは、恐らく今、私が思っていることなのだと思います。
ただそれを答えるのはやはり躊躇してしまいます。
「……いつものオレだったかな?」
しかし、シンさんは私に黙秘というものを許しては下さいませんでした。
どこか懇願する顔で私の方を見てこられます。
「……いえ、違いました」
私はシンさんを直視することが出来ず、顔を反らし答えます。
「やっぱり分かってたんだな………」
「……すみません」
私は消え入る様な声で頭をシンさんに向かって倒します。
気付いたのは今朝シンさんに出会った時
いつも私を気にかけて下さるシンさんが、それをしなかったから
確信を持てたのは、シンさんの不自然なまでのテンションの高さから
「どんなに違うこと考えようとしても、思い浮かぶのはあの時のことと」
そしてシンさんは言葉を止め、見ているこっちが手が砕けてしまうのではないかと心配するほどに、拳を握られます。
「怒りだ」
御自身に対して、御家族を奪ったものに対して