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あの方に余計な心配を掛けてしまいました
「はあ」
大きく溜め息が漏れます。
気持ちを改めようと顔を洗ったのですが、少しも変わりません。
むしろ自分の愚かさが水と一緒に圧し掛かってきた感じです。
「はあ」
駄目ですね、もっとポーカーフェイスを心がけないと
「あれ? ゆきちゃん?」
見ていた鏡につかささんの姿が現れました。
「ゆきちゃん、ごめんね」
「えっ?」
手を洗いながらつかささんは私に謝ってこられます。
私は何もつかささんから謝られる様な事はされていないのに。
「わたしのせいでゆきちゃん、シンちゃんにチョコ渡しづらくなっちゃたもんね………」
「そ、そんな………」
「でもね、遠慮しないで。わたしたちライバルだし! ……一応ね
それに…わたしのせいでゆきちゃんがチョコ渡せなくなったら悲しいよ。」
つかささんの微笑を見て、私がもっとつかささんを傷付け様としていたのに気付きました。
「すみません、私つかささんの優しさに甘えていました」
「そ、そんな、ち、ち、違うよ!
ただゆきちゃん、せっかくシンちゃんと仲良くなれるチャンスなのにもったいないな〜って………
ご、ごめん! わたしなんかが偉そうなこと言って………」
「いえ、そんな。勉強になりました、ありがとうございます」
「そ、そう? だったら良かったんだけど………」
つかささんは恥ずかしそうに頬をかかれます。
素敵な奥ゆかしい方です
この様な方と御近付きになれた事を嬉しく思います
つかささんだけではありません
かがみさん、泉さん。そしてこの方達に。私はとても失礼な事をしていました
親友であり、恋のライバルである方々に