背中越しからシンさんの動揺が伝わってきます。

 分かっています、シンさんは悪くありません。

 むしろシンさんの遊び心を見抜けなかった自分が悪いのです。

 それなのに私は子供みたいに泣いて、本当にお恥ずかしい限りです。

 年齢よりは大人に見られたくないのに、子供の様に振舞うのは恥ずかしい、中途半端ですね、私は



 ちらっと、後ろを振り向くと、母親に叱られた子供の様にしゅんとなっているシンさん。

 そんなシンさんを幼稚とは思いません。

 むしろ感情をストレートに出すという事は、私にそれだけ心を開いて下さる証拠なのです。

 そう思うと、嬉しいという反面、表面だけ飾ろうとした自分が情けないです。



 シンさんならきっと私の想いをちゃんと受け止めてくださったはずです。

 そして駄目な時は駄目ときちんと言って下さる方です。そうしたらその時に反省すればいいのです。

 勝手に先読みして、深読みして、後悔はしたくない、シンさんは周りからどう思われようが、いつもそうなされてきました。





 それは私にはなかったもの



 だから私は惹かれたのです



 だから私はシンさんと一緒にいたいのです



 だから私も



 だから少しだけ



 少しだけ私もしてもらいたい事を言わさせてもらいます





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