シンさんと付き合い始めてもうすぐ四年目を迎えようとしています。

 ですが私は今ほど、あの人の行動を理解出来ない事はありませんでした。

 始め私はシンさんが同じ大学、同じ学部であると聞いてすごく喜びました。

 それはもちろん好きな人と、キャンパス生活を送れるという事もありましたが、私と同じ夢を歩いているというが何より嬉しかったのです。

 そして私は今の今までそう思っていました。



 それが昨日、違うと知らされました。



 しかも本人の口から

 信じられないというのもありますし、疑念が生じました。



 それなら何故私と同じ学部を選んだのか?



 やりたい事があるのだったら、他の学部、もしくは他の大学という選択肢もあったはずです。

 あの方の高校の成績を考えたら、ほぼどの大学、どの学部にも入れたはずです。



 それなのに何故? 何故? 何故?



 この疑惑が私から睡眠を奪いました。

 そして寝ずに考えた結果が、私の夢のせいではないか、という推論が出てきました。

 私が心配のためにシンさんは私と同じ大学に進んだのではないでしょうか。

 私は世間知らずのところがあり、シンさんから見れば危なっかしいところがあったのでしょう。

 シンさんの優しい性格上、それがないとはとても否定できません。

 これが正しかったとしたら、私はシンさんの夢を奪い取ってしまったのです。

 何も知らずただのんのんとシンさんの優しさに甘えていた私。

 責められるのはシンさんではなく私の方です。



 ……しかし、それが分かったところで今更なんになるんでしょう?

 今から付きたい職種を探してください、と無責任な事は言えません

 もう大学3年生、何もかもが遅すぎるのです



 私がもっとシンさんの事を気にかけておけば………



「だーれだ?」

 突如、後悔している私の視界が遮られました。





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