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周りに人が集まってくる。
車の方もまるで動揺したかのように速度が落ちる。
そして私と男の子は
「無事か?」
「……はい」
「うわぁぁあぁあぁぁん!!!」
先輩の言葉に私と男の子は、先輩の胸でそれぞれの返し方をする。
飛び込んだ勢いそのままに私は先輩の方へ体当たりを仕掛ける形になった。
きっとかなりの衝撃だったはずなのに先輩は顔色一つ変えずに、私達を立ったまま受け止めた。
普通なら驚くことだけど、この先輩ならば驚くほどのものでもない。
もっと凄いのを私は見たことがあるから
「本当にありがとうございます」
男の子お母さんはこちらが恐縮するくらい、頭を下げてお礼を言っていった。
周りの人達もケガ人がいないということで、安堵しつつ散っていき、車も常時の速度で走っていく。
全てが元に戻った。
「無茶するなよ」
「……してません」
私の言葉に、先輩は自身のこめかみを抑える。
「お前に何かあったらゆたかにどういえばいいんだよ」
「……すみません」
ゆたかの名前が出たら謝るしかない。
あんなに優しいゆたかを私のことで泣かせたくはない。
「もっと後先のこと考えろよな」
「……考えた結果です」
「なんだよ、それ?」
「先輩が近くにいたから」
先輩は重要な約束は絶対にどんなことをしても守る。
それは今まで私が信頼できる人から聞いたり、直接見たりしてできた結論。
私は別に先輩にとっては大切な存在ではないけど、私を守る、それを言ったのは適当なことじゃないのを私は知っている。
先輩が可愛がっているゆたかの為に言ったのだから