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「でもさ、やっぱり心配だから帰りは一緒に帰ろうと思うんだ」
いつもはマイペースなこなたも従姉妹であるゆたかを可愛がってる事もあり、滅多に出さない面倒見の良さを見せる。
「そうだな…でもお前今日バイトだろ?
オレが一緒にゆたかと帰るよ」
「……分かった、じゃあお願い。
それにその方がゆーちゃんも喜ぶだろうしね」
こなたは少し考えてから、オレの意見に何故か微妙な笑みを浮かべ頷く。
「出来れば岩崎みなみに会って、お礼を言っとかないとな」
ゆたかが懐いているとはいえ、オレが直接岩崎みなみというヤツを見極めないといけない。
「……お礼ねー」
「な、なんだよ? オレ達は家族みたいなもんだし、礼を言うのはおかしくないだろ?」
思わず口から出た『家族』という言葉、オレがまたその言葉を言えるのが不思議でもあったし、心地良くもあった。
そんな感情が湧き出るのもそうじろうさんやこなた、ゆたかのお陰だな。
まあ、かなり恥ずかしいセリフだったのけどな。
「礼を言うのは全然おかしくないよ。ただね………」
普段ならからかうはずのオレの態度だが、こなたは頬を掻きながら微妙な笑みを浮かべたままだった。
「シンが岩崎さんにフラグを建てるのかが心配なんだよ〜」
「あんたはオレをなんだと思ってる!?」
「う〜ん…辻切りフラグメイカー」
のたうちまわったこなたの顔にオレのパルマフィオキーナが炸裂した。