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 キーンコーンカーンコーン♪



「終わったー!!」

 わたしは今日最後のベルを聞き終えたと同時に帰り支度を始める。

「こなちゃん、もう帰るの?」

「何か御用の様ですね?」

「まあ〜ね♪」

 わたしの様子を見て、聞いてくる二人の質問に機嫌よく答える。

 授業を受けている時から膨らむ思い、それは恋………、じゃなくて、シン・アスカに対する疑問だった

 お父さんの言葉を考えれば考えるほど、どんどん彼に聞きたいことが湧いてきて、

まるで新作ゲームの続きをするかのようにわたしを興奮させていた

 相手はあの悪名高いシン・アスカなのにもかかわらず、なぜこんなにも興奮するのか?



 アニメキャラだからという理由もある

だけどそれ以上にわたしを引き付けたのは彼の目だった

 彼の目はわたしがこれまでに会ったどんな人とも違っていた、強くもあり、弱くもあり決して一つの色になっていない

 そして彼には正の感情が見えない。

 それなのにわたしには彼から怖さを感じても暗さを感じなかった

 シン・アスカともっと話がしたい

 彼と話せばわたしの疑問は解消され、そしてわたしは刺激的な非日常を過ごせるのではないか?



 そう思うといつもは楽しい親友達と一緒に帰るという行動すら、霞んでしまう。

「ごめん、つかさ、みゆきさん、今日はわたし先に帰るから、かがみに………」

「うん、お姉ちゃんに言っとくよ〜」

「それでは泉さんまた明日」

「うん、また明日!」

 一目散に教室を出るわたし。



 君の明日は楽しいの?



 それがわたしがシン・アスカに聞く最初の言葉だ





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