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 目を開いて最初に入ってくるのは見慣れない天井だった。

 一瞬自分がどこにいるのか分からなかったが、すぐに思い返す。

「……ここは違う世界なんだな」

 自分の呟きなのにまるで他人が言っている様に感じた。



 どうやらオレはショックとケガのために、あの後また気を失ってしまったらしい。

 あの程度で気を失うとはFAITHの名が廃るよな

 オレは自嘲の笑みを浮かべ、立ち上がる。

 あの時オレはこれは夢だと、起きれば元の世界に戻れると心のどこかで思っていた。

 しかし現実はやっぱり違った。変化といえば日が明けたくらいで、窓の外から見える光景は相変わらず見た事のないものばかり

 鳥のさえずりが聞こえる。

 これがオレの起きた原因らしい、それは今までの生活からは有り得ないものだった。

 そう。ここは何もかもが違う



 こんこん



「おっ、起きてるね〜おはよー」

 ノックと共に入ってきたのは青い長い髪の子供だった。

 どうやら学校にでも行くのか、昨日の格好とは違い制服らしき服を着ていた。

 スカートを履いてるところを見るとコイツ、女だったんだな

「何か様か?」

「様か? はないじゃん、朝ごはんが出来たから呼びに来たんだよ」

「そんなものいるかよ、お前達だけで食べればいいだろ!」

「朝っぱらからテンション高いね〜

 まあそんなこと言わずに、せっかくきみの分も作ったんだし、ね?

 それにお互いの自己紹介もしないといけないじゃん」

 少女は緊張感のない顔で言ってくる。

 昨日の今日だぞ? コイツまだ寝ぼけてるんじゃないだろうな?

「アンタ達の事を知ってもなんの得にもならないだろ」



 グー



 そう言った瞬間にタイミング悪くオレの腹が鳴る。

 少女の方を見ると勝ち誇った顔をしてる。

「分かったよ! 行けばいいんだろ!? 行けば!!」

「は〜い、いらは〜い♪」

 オレの言葉に少女は満足そうに頷いた。





「やあ、おはよう」

 すでにリビングには男が待っていた。

 どうやら世界は違っても朝ごはんの内容はどこも同じらしい

 だけどなぜか分からないがこの食卓には何か違和感がある。それがなんなのかは分からないけど……

「ほらほら、座って座って」

「分かってる、命令するな!」

 少女に促される形で渋々オレはイスに腰掛けた。





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