「じゃあプール、行こ〜?」

 こなたが沈黙を解いたのは少ししてからのことだった。

 どうやら早々に我慢が切れたらしい。

 ホントに興味がなければ根気がないやつだな



「ねえねえほらほら、彼女の水着姿だよ見たくな〜い?」

 体を左右に揺らしながら説得を開始するこなた。



「別に」

「ちょっと表出ろ」

 こなたの上から下を見てから言ったのが、気に入らなかったのかこなたが凄む。

「被害妄想だ、それにステータスなんだろ?」

「被害妄想じゃないじゃん」



 揚げ足取りにはオレも結構自信がある方だけど、この小さな彼女にはまるで勝つ自信がない。

 そもそも根本的に違うのはこなたの揚げ足取りは怒りよりも感心やらが先に来てしまう。

 これがセンスから来るのか、それともこなた自身の魅力によるものなのか、

なんにせよこれがこなたの周りに人がいなくならない理由の一つなんだろう。



「どうせ人がいっぱいいるんだぞ?」

「コミケ常連者を甘く見ないでもらおうか! 少しくらいの人ものの数ではないわ!」

「足は? 最近ガソリン代の値上がり知ってるだろ?」

「ふっふっふっふ、新聞はテレビ、ラジオ欄、テレビはアニメ、特撮しか見ない我がそんなこと知り得ようか!」

 そしてそれを楽しみにしてるオレは絶対に1番の重症患者だ。





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