8
気付くとオレはベッドの中にいた。
「気付かれましたか?」
「大丈夫? どこか痛くない?」
「まったく、驚かせないでよ………」
「え〜と、オレはなんでここに?」
「野球ボールがシンに当たって倒れたんだよ」
「なるほど。あれは野球ボールだったのか………」
疑問が解けたところで、オレは新たな疑問を口にする。
「なんでオレの名前知ってるんだ?」
…………。
オレの質問に周りの時が止まる。
「あんた! 何言ってんのよ!?」
「かがみうるさいって、ここ保健室だぞ?」
「あっ、ごめん…って、あれ? あんた今、私をなんて呼んだ?」
かがみがトボけた事をオレに聞いてくる。
「ハァ? アンタはかがみだろ? それともつかさと入れ替わってんのか?」
オレはかがみの隣にいるつかさに聞いた。
「ううん、そんなことしてないよ、わたしがわたしだもん」
この答え方は絶対につかさだな………。
「だよな…かがみ、オレをおちょくってんのか?」
「も、もういいわよ! 心配して損したわ…さっきのはあんたなりの冗談ってわけね」
「ですが、一時はどうなることかと………」
「あれくらいじゃ大丈夫だって、心配性すぎるってみゆきは」
「しかし…シンも冗談を言うとは、いい傾向だね☆」
「いや、だからアンタ誰なんだよ?」
…………。
オレの質問に周りの時が再び止まった。