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「うーす。黒井や、一年間よろしゅう」
私達B組の担任は二年生の時と一緒で黒井先生です。
とても明るくて気さくな頼れるお姉さんみたいな方です。
「高良、前期の委員長頼んでええか?」
「あ、はい」
「委員長とかって一度やると、キャライメージが固定されちゃって続くよね」
「それはなんていうか…ご愁傷様」
「そうですね…嫌ではないのでいいですけど………」
泉さんとあの方の言葉に私は曖昧な笑みで答えました。
「どなたか、体育委員をなさるお方はいらっしゃいませんか?」
新クラスですから当然ですが、なかなか手が上がりません。
ふとあの方に目をやると我関せずといった風に、外を見ておられました。
「シンさ…アスカさん体育委員をやって下さいませんか?」
危うくいつも通りの呼び方で呼びそうでした…公私混同はいけませんね………。
「パス。面倒いだろ、それ」
興味無さ気に断るあの方。やはりあの方も公私混同はしないのでしょう…ですが、あっさり断りすぎです………。
「じゃあやるよ」
「すみません、お願いします」
私の様子を見るに見かねられたのか別の方が立候補して下さりました。
その後もなんとかH・Rは進んでいきました。
あの方や泉さん、つかささんは結局委員会に入られませんでした………。